2019年4月26日金曜日

「川添愛のことばスムージー 「平成的」どんな印象」を読んで

2019年4月24日付け朝日新聞朝刊、「川添愛のことばスムージー」では、「「平成的」
どんな印象」と題して、私たちの中には確かな「昭和」のイメージがあるのに、
「平成」とは何かというと、現時点では明確な答えが出てこないことについて、語って
います。

この論でも結論付けられているように、我々は終わりを迎えたとはいえまだ「平成」
のただ中にいるので、時を隔てた「昭和」のように、客観的なイメージを抱くことが
出来ないのかも知れません。

しかし考えてみると、「昭和」は戦前と戦後で大きな価値の断絶があったことからも
分かるように、文字通り激動の時代であって、少なくとも極端な価値観の転換は
なかった「平成」とは、比較のしようがないと思われます。

そして戦後生まれが大半を占める現代において、私たちが「昭和的」と感じるのは、
あくまで戦後の「昭和的」であって、戦前のそれとは180度違います。だから我々が
時代を客観的にイメージ出来るのは、現在とは少し距離を隔てた前の時代という
ことになるのでしょう。

戦前、戦中の出来事や、その時代の国民の生活や価値観の忘却が盛んに言わ
れるのも、当時を実際に生きた世代の減少に従って、避けがたいことではあり
ます。しかし、私たちが「昭和的」というものをイメージする時、戦前からの価値の
転換という特質は、しっかりと心に留めておかなければならないと考えます。

それでもあえて、「戦後の昭和的」と「平成的」のイメージの良質な部分を比較する
なら、「平成」は大きな自然災害に多く見舞われた時代ではあったけれど、それゆえ
国民にボランティアという意識を芽生えさせた時代であったと、私は思います。

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