2019年4月18日木曜日

「川添愛のことばスムージー その「ちょっと」は」を読んで

2019年4月10日付け朝日新聞朝刊、「川添愛のことばスムージー」では
「その「ちょっと」は」と題して、我々日本人の「ちょっと」という言葉の微妙なニュアン
スの使用法について、語っています。

「ちょっと」は本来、「少し」という意味です。でもこのコラムの指摘によって私も気づか
されたのですが、我々はまるで当たり前のように、まったく正反対と言ってもいいよう
な意味の使い分けをしているのです。

例えば、「ちょっとは何々したらどうか」という使い方をする時には、文字通り「「少し
は」という意味で使っています。この場合、「何も沢山しなくてもいいけれど、せめて
少しぐらいはしなさいよ!」というように、「少し」を強調するために「ちょっと」を使っ
ているように思われます。

それに対して、このコラムで取り上げられているのは、相手にこちらの気持ちを伝え
る場合の「ちょっと難しい」という表現や、ある人物の人となりを相手に伝える時など
に用いる、「ちょっとした有名人」といった言い回しです。

それぞれに、「ちょっと」と言いながら、「極めて」とか「かなり」というような、本来と
は正反対の意味で使われています。

ではどうしてそんな使い方をするのかを考えてみると、「ちょっと難しい」の場合は、
相手の気持ちをおもんばかって、やんわりと否定しているように思われますし、
「ちょっとした有名人」の場合は、幾分かの語る対象に対する皮肉を込めているよう
にも感じられます。

このように考えると、やはり日本語は難しい。結局話し手が、相手の立場や思いを
考慮にいれながら自分の気持ちを伝えようとするので、このような微妙なニュアンス
の言い回しが生まれるのではないでしょうか?

日本語の繊細さに、気づかされた気がしました。

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