2018年10月22日月曜日

鷲田清一「折々のことば」1260を読んで

2018年10月18日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1260では
那覇の公設市場前に小さな古書店を開いた宇田智子の『市場のことば、本の声』
から、次のことばが取り上げられています。

  恋人になると誓うより、仕事への志を語るよ
  り、心を本当に励ましてくれるのは日々の小
  さなできごとだ。

この気持ち、同じく店を営む者として、本当によく分かります。何が心を落ち込ませ
るといって、お客さまが来られないこと、注文、問い合わせの電話がかからないこと
ほど、応えることはないからです。

手持無沙汰にしている時、最初は他の心配事がこまごまと頭に浮かんで来ます。
そして不安を感じたり、後ろ向きな考え方に陥って、心が徐々に暗くなっていくことが
あります。

でもその負の感情を振り払う一番の特効薬は、お客さまとの仕事のやり取りが始ま
ること。注文は勿論、すぐには取引と結び付かない相談事であっても、なにがしかの
端緒が開いて店が活気づくと、私も一気に元気になります。

今年の夏のように自然災害が続くと、いくら興味のある人でも必需品ではない和装の
ことまで気が回らないのは当然とことで、私たちの店でもお客さまとのやり取りが
途絶える静かな時間もありました。

秋の訪れと共に活気を取り戻しつつある店内で、人々の出入り、電話やインターネット
での交流あってこその三浦清商店だという思いを、かみしめています。

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