2018年10月8日月曜日

鷲田清一「折々のことば」1249を読んで

2018年10月6日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1249では
ドラマ「ハゲタカ」(原作・真山仁、脚本・古家和尚)第7話から、主人公のやり手の
投資家・鷲津政彦の次のことばが取り上げられています。

  金や力がなくても、守るべきもののためにあ
  がき続ける人間はいる。そういう人間は夢な
  んて語らない。

何を隠そう私も、このドラマを最終回まで楽しみました。勿論誇張や、都合のいい
ストーリー展開があって、現実はこのように胸がすく結末にはなりませんが、鷲津
役の綾野剛の熱演にも引っ張られて、最後まで目が離せませんでした。

こういうドラマが受けるのは、私たち庶民が常日頃、自分たちの手の届かない
ところで勝手に決定され推し進められる、政治政策や経済運営上の失敗が、私
たちの生活に直接大きな被害やしわ寄せをもたらすと考え、強い憤りを感じている
からで、せめてドラマの中でもうっぷんを晴らしたいと思うからでしょう。そういう思い
は、私たちの生活実感が厳しいほど高まりますので、今なおこの種のドラマが放映
されるのは何をか言わんや、です。

さて現実と照らし合わせても、確かに窮地に陥り投資を請う相手に夢を語るのは、
夢想的に過ぎると私でも感じます。経営において夢を持つことは大切ですが、確
たる裏付けや展望なしにそれを語ることは、絵空事になってしまうでしょう。

私たちも店を続ける上で、ささやかでも夢は持ち続けたいと考えますが、それは
そっと心に秘めて、あくまで現実的な思考法で日常の業務に邁進したいと思い
ます。

  

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