2018年3月16日金曜日

「松村圭一郎のフィールド手帳 楽しく働く方法考えては?」を読んで

2018年3月13日付け朝日新聞朝刊、「松村圭一郎のフィールド手帳」では
「楽しく働く方法考えては?」と題して、松村がフィールドワークで訪れるアフリカの
ホテルの従業員が、あまり規律に縛られず楽しそうに働いている姿と比較して、
私たちの国の働き方の問題に一石を投じています。

日本人は働くことにおいて勤勉、生真面目が代名詞になっています。また一般に、
そのような振る舞いにモラルのベースを置いているところがあります。

つまり、勤勉さや生真面目さが当たり前で、自分がそうであると感じるからには、
相手にもそのような態度を求めるところがあります。

これがサービス業ともなると、狭い国土で同一の価値観を共有するという前提の
下、顧客の気持ちを推し量って、相手に出来るだけ満足を与えるサービスを提供
するということが、理想の対応となります。

その結果、競争の激しい業種ではサービスがだんだんエスカレートして、従業員が
過重労働に陥るということも起こります。例えば先般問題になった、個人向けの
荷物の到着時間指定の競争がエスカレートして、宅配業従業員の労働時間が
法定労働時間を遥かに超過するようになった問題などは、正にこの典型でしょう。

またその他の労働の現場においても、これは私のような自営業を営む者にとって
は、あくまで報道などで接する情報から感じることに過ぎませんが、労働における
生産性、効率化がますます重視されて、色々な職場が働く者にとって息苦しくなって
来ているように推察されます。

アフリカ人の働く様子が、勿論現在の日本にそのまま当てはまるはずはないけれど、
また経済発展が人をして加速度的に労働に駆り立てるのが経済の法則であるとは
言え、せめて生きていることそのものを楽しめる心の余裕を、筆者の接するアフリカ
の人のように持つことが出来たら、これは私のささやかな願望でもあります。


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