中秋の名月の夜、なにげなくベランダに出てみると、こうこうと輝く
月の光が目の前に広がる離れの屋根瓦を美しく照らして、思わず
カメラを取ってきてシャッターを押しました。
私の技量も、カメラの性能もいい加減なものなので、うまく
捉えられているかははなはだ疑問ですが、これがその写真です。
久々に晴れ渡った夜空に、透き通った輝きを放つ名月そのものも
素晴らしかったのですが、その美しさは織り込み済みとして、
屋根瓦と月の光の取り合わせは私にとって予想外で、思わず
はっとさせられたのです。
夜の闇に静まる鈍色の屋根瓦が、仄かに銀色をおびる月の光に
照らされて、その幾重にも繰り返される輪郭を浮かび上がらせる
有様は、えもいわれぬ趣があります。
月は欧米ではしばしば、狂気をはらむ尋常ならざるものと見なされ
ますが、日本では中秋の名月に代表されるように、その風流を
めでる対象として広く親しまれているように感じられます。
彼我の自然に対する感受性の違いでしょうか?そんなことも
ふと、思い浮かびました。
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