2019年7月19日金曜日

祇園祭前祭り宵々山に、杉本家住宅の「屏風飾り展」を訪れて

本年の祇園祭は、私が新しくFacebookの「アート倶楽部(美術館めぐり)」に参加した
こともあり、記事で紹介すべく、近くに住みながらまだ訪れていない重要文化財・
杉本家住宅の「祇園会 屏風飾り展」を観に行きまました。

祇園祭では、山鉾巡行に先立つ各山鉾町での山鉾の披露に合わせて、旧家が所蔵
する屏風や絵画など、美術工芸品を展示する「屏風祭り」が行われますが、杉本家
住宅でも「伯牙山」の山鉾町にあって祭りの中心的な役割を担うと共に、この時期に
合わせて所蔵の美術工芸品の公開が、実施されます。

さて、美しい細目格子の並ぶ、どっしりとした構えの京町家・杉本家住宅に入り、母屋
に上がると、畳敷きの薄暗い室内に、いかにも質の高い絨毯が敷かれて、床の間の
掛け軸、背の低い屏風が、行灯の仄かな光の中に浮かび上がります。まさに全体が
一幅のの絵のようで、美術館で観るのとはまた違う、日本の美術品の本来のあり方で
ある、調度品としての美術工芸品の美を、味わうことが出来ました。

続いて格調高い作りの座敷に移ると、こちらでは3点の屏風が私を迎えてくれて、特に
奥まった光の届きにくいところに設えられた、俵屋宗達「秋草図屏風」は、金地に色味
を抑えたように見えながら、繊細かつ縦横に伸びる秋草が優雅な姿で描き上げられ、
往時の華やかさがしのばれると共に、じっと観ていると吸い込まれそうな感覚に囚わ
れました。

座敷から眺められる庭も広くはありませんが、塀に囲まれ、緑の苔に彩られた、庭木
や蹲、飛び石の配置が見事で、心を落ち着かせてくれます。また夏ということで、
さりげなく置かれた氷柱や、縁側に掛けられた簾の下から覗く金魚鉢が、涼を感じさせ
てくれました。

正に古き良き京都を、堪能することが出来ました。

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