2014年4月23日水曜日

京都高島屋グランドホール「円谷英二 特撮の軌跡展」を観て

我が国の映画、テレビに特撮作品というジャンルを築き上げた
「特撮の神様」、円谷英二の特撮技術の紹介を中心とする
展覧会です。

私自身も映画「ゴジラシリーズ」の迫力、恐ろしさに心震わせ、
テレビ「ウルトラQ」、「ウルトラマンシリーズ」の神秘的な
超現実の世界、怪獣退治のストーリーに胸躍らせた世代なので、
何か懐かしいものに再会するような思いで、足を運びました。

円谷が次々に開発していった特撮技術の展示を見て行くと、
まず最初に何を撮るかという目的があり、それを実現するために
方法を考案していったという事実が明らかになります。

彼は常人の思いつかない発想で、観る者をあっと言わせる、
あるいは、それが違和感のないものと感じさせる、トリックを
矢継ぎ早に創作していきましたが、まず観客に見てもらいたい
シーン、訴えたい思想があり、それを実現するために、人並み
外れた情熱を有していたことを見逃してはならないでしょう。

さらに、円谷の特撮作品の魅力を語る上で欠かせないものとして、
キャラクターの素晴らしさがあげられます。

日本文化の伝統である、森羅万象すべてに魂が宿るというものの
考え方、マンガのルーツとも言われる、鳥獣戯画に代表される
絵画の継承、妖怪、幽霊の図像化など、長く蓄積されてきたものが、
折しも近代科学の発達とともに、円谷という偉才のもとに一気に
花開いたと考えるのも、あながち間違ってはいないと思われます。

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