2014年4月15日火曜日

京都文化博物館「光の賛歌 印象派展」を観て

ルノアール「ブージウ‘ァルのダンス」が目を引きますが、シスレー、
ピサロ、モネの水辺の風景画が中心の印象派展です。

「ブージウ‘ァルのダンス」は、さすがルノアールです。人生の
歓喜の時の一瞬を捉え、卓越したデッサン力、天性の色彩感覚で、
濃密な愛の賛歌を歌い上げます。その一点があるだけで、周辺の
空間まで、薄紅色の靄がかかっているかのように感じられます。

NHKの生命科学番組ではないですが、この作品は正に、
オキシトシンの生成を誘発する絵画と感じられました。

印象派の水辺の風景画は、常に流動する光のきらめきを描き、
その瞬間の時を写し取っているにもかかわらず、画面全体から
受ける印象は、落ち着いています。

今回、同じような構図の絵画が多く並べられた中で、改めて
気付いたのは、空のスペースが大きく取られていることによって、
画面全体の泰然とした秩序が構築されていることです。

印象派の絵画が、観る人に心地よさを感じさせる理由は、ここにも
あるのでしょう。

シスレー、ピサロ、モネの三人の画家の中で、モネの作品が一番、
その制作時期によって様相を大きく変えます。それぞれの時代の
作品の素晴らしさに、画家としての器の大きさを感じました。

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