2014年4月10日木曜日

仕事のこと 2

昨日お話ししたことに関連して、朝日新聞朝刊4月9日付け、京都面の
「四季つれづれ」大野洋太郎さんの言葉が、私の琴線に触れました。

以下に引用すると、「「職人技は盗んで覚えろ」。よく聞くセリフです。
しかし未熟な者に技は盗めません。飽きるほどの同じ作業の繰り返しの
末に、いつの間にか身に付くのが技、その上に謙虚さが伴って、初めて
他人の技を盗めます。」「単純な作業の繰り返しに耐え仕事がひと通り
こなせるようになった時、初心の謙虚さを忘れずにいられるか。それは
仕事が本当に好きかどうかにかかっています。器用さは二の次です。」

私たちの属する伝統産業には、マニュアルなどなく、経験の蓄積で
職能を磨いて行きます。私も、父の後について、見よう見まねで商売を
覚えて来ました。

ましてや、熟練の技術が必須の職人は、その技術を磨くために、長い
下積み期間を必要とします。しかし、昨今の和装業界は、せっかくの
その技がどんどん失われて行く事態に直面しています。

現代社会を生きるお客さまが、必要と感じられるお品物を提供する
ことによって、この職人技を少しでも残していくことができたら・・・

私たち、この店に携わる者一同の、切なる願いです。

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