2019年6月28日金曜日

鷲田清一「折々のことば」1494を読んで

2019年6月17日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1494では
漫画家・西原理恵子の『洗えば使える泥名言』の「解説」から、タレント・壇蜜の次の
ことばが取り上げられています。

  一見眉間にシワが寄ったりムッとするような
  言葉こそ、実は自分を助けるフレーズになる
  かもしれない

確かに、誉めことばや口当たりの良いことばは、その場では気分を良くしてくれる
けれど、後々には何も内容が残らなかった、ということもあるかもしれません。

まず誉めことばから考えると、よく人は褒めて育てるものだ、と言われます。なる
ほど、厳しすぎたり、いちいち欠点をあげつらうのはダメでしょう。相手が委縮して
しまいかねません。

でも自分の経験に照らすと、褒められてやる気が出たことよりも、叱られた反発心
から一念発起したことの方が多いと感じます。勿論その人の性格や、時代の影響も
あるに違いありませんが、少なくとも叱られたことの方が、後々まで心に残るのは
確かでしょう。

次に口当たりの良いことばについて考えると、こちらの問いかけに対して可でもなく
不可でもない、相手を傷つけないだけのほどの良い返答は、結局後には何も結果を
残しませんし、あるいは、単に心地よい雰囲気を作るだけのことばも、心に訴えかけ
て来るものがない場合がほとんどです。

ちょっとざらついた、聞く方に抵抗感を催させることばが、後にはじわじわその人の
心に働き掛けることがある、というのもよくあることだと思います。

このようなことばは、要はその人の受け取り方次第、かもしれません。

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