2020年7月31日金曜日

鷲田清一「折々のことば」1883を読んで

2020年7月23日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1883では
独立研究者・森田真生との対談「未来をつくる言葉を語ろう」から、情報学者・ドミニク
・チェンの次のことばが取り上げられています。

   遺言って、実際に書いてみると悲観的な内容
   にならないんですね。

これは私にとって、今まで考えもしなかった視点からのことばなので、我ながらはっと
しました。

確かに人は、自身の亡き後に残された肉親、後継者の未来の姿を想像する時、その
人々が幸福に過ごしていることを願うに違いありません。逆にもし、自分の後を継ぐ
人の不幸を願っているならば、それほどさみしく、悲しいことはないでしょう。

更には、自分がいない未来の視点から、今現在を生きる自らを振り返ってみる時、
今日の自分の考え方や行動が、果たして未来の人々にとって有益であるか、彼らに
将来負担を強いるものではないか、という問いかけも、自ずと生まれて来るはずです。

例えば今日の環境問題が、今の我々には緊急の課題となかなか実感出来なくても、
未来の人々にとっては、生活環境をも脅かされかねない、深刻な問題である、という
ように。

上記のことばを読んで、すでに還暦を過ぎた私も、そろそろ次代の人々を念頭に、
これからの自身の生き方を考えて行かなければならないと、感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿