2014年12月30日火曜日

京都市美術館「改組新第1回日展京都展」を観て

年末の慌ただしさを縫って、上記の展覧会を観て来ました。

昨年の不正審査問題を受けて、旧来の「日展」から名称を変更した
展覧会の第1回展です。

長い歴史を有する、我が国の代表的な公募展の一つですが、連綿と
受け継がれた伝統を継承する過程で、かねてより組織の硬直化の
噂は、私も耳にしたことがありました。

その問題が一気に噴き出したということでしょうか?今回より、
審査方法などを改革して、新たな出発を計るようです。

色々な批判、好き嫌いもあるでしょうが、長年観つづけている
一美術ファンの私は、実は「日展」の醸し出す独特の雰囲気が
好きでした。

毎年観に行くことによって、看板作家のその年の出品作がどのような
出来栄えであるかに期待し、若手の作家が年を追うごとに作品を
成熟させて行く過程を楽しむ。そんな鑑賞方法もありました。

さて、改組ということで、この展覧会にどんな変化が生まれたか?
私は期待を胸に会場に向かいました。

ここでは、いつも重点的に観る、日本画、工芸美術に絞って感想を
述べると、日本画には、表現において現状を変えようという意欲が
垣間見える作品が見受けられ、特に新入選作品には、従来にはない
選考基準が用いられていると感じられるものがありました。

工芸美術、特に私が注目する染色には、若手作家を中心に、色彩が
明るく、生き生きとした作品が多いように感じました。この現象も、前を
向いて進もうという作家の姿勢を示していると受け取れました。

いずれにしても、改革の効果がはっきりと現れて来るのはこれから
でしょう。今後の楽しみの芽生えは少し感じられた、と思います。

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