2021年8月27日金曜日

「鷲田清一折々のことば」2100を読んで

2021年7月30日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2100では 作家中島らもの随想集『その日の天使』から、次のことばが取り上げられています。    一人の人間の一日には、必ず一人、「その日    の天使」がついている。 とても詩的なことばです。そして同時に、救われることばでもあります。 人生はままならないもの。大きな災難、哀しみ事でなくても、いたるところにちょっと した悩み、小さな不満が隠れています。 最近は、それが当たり前に思えて来て、かえって望外の喜び事や、物事がうまく行き 過ぎると、後の反動が心配になるぐらいですが、それでも、日常の中に悩みや落ち込む ことは、絶えません。 ですが上記の言葉のように、一つの負の感情には、対になる些細な喜びや癒される感情 が付いて来ると考えると、随分気持ちが楽になります。 かつて私が観た、ビム・ベンダースの『ベルリン天使の詩』という映画で、図書館で 読書している人に優しく寄り添う天使の姿に、強く胸を撃たれましたが、正にそのような イメージを、この言葉に感じます。 要は、負の感情にさいなまれることがあっても、きっとまた救いも訪れるはずだ、という ことを信じ続けることでしょう。私も、ささやかな可能性を信じて、毎日を丁寧に生き たいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿