2021年6月1日火曜日
私の大腸がん闘病記⑩
さて、今日は大腸の不調から、話を始めたいと思います。
まずこれが厄介なのは、感覚としては、消化器官のうち、口から小腸にかけては手術による
傷はないわけですから、食べるという行為に対して、自分の体の中にアンバランスが生まれ
た、ということです。
つまり、食欲は十分にあり、恐らく手術によって体が消耗しているので、口は脂っこいもの
など高エネルギーの食品を求めるようになり、ついつい食べようとしてしまいます。しかし
大腸の方は、まだ傷が癒えていないのですから、消化に悪いもの、精の強いものには拒否
反応を示します。
従って、自分では抑制しているつもりでも、知らず知らずのうちに食べ過ぎてしまい、その
後には激しい下痢に襲われて、体が消耗するということを、繰り返してしまいました。
また私は大腸の内、S字結腸と直腸の一部を切除したので、手術後かなり長い期間、どう
やら排泄前の便を適当な形に整えたり、排便に備えて一定時間蓄えるという機能が失われた
ようで、下痢が始まるととめどなくそれが続き、ようやく止まると、今度は固まった便が
肛門を通過出来ないほどの大きさにまで膨らんで、激しい便秘に襲われました。
ひどい時には、下痢が昼夜問わず16回以上も続き、それが止まると、出そうで出ない便秘が
3~4日続きました。下痢も寝不足が重なって体力を消耗させ、便秘は便秘で、下腹に不快感
と圧迫感があり、何とか排泄しようとトイレの中で力めば力むほど、疲労がたまりました。
下剤の力などを借りて、ようやくひどい便秘が解消されると、ホッとして気が緩み、また
ついつい食べ過ぎてしまうという悪循環の繰り返し。とうとう、自分でも一体何をしている
んだと、自己嫌悪に陥りました。
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