2021年6月8日火曜日

私の大腸がん闘病記⑪

さて、手術直後でまだ体の消耗が激しい中、新たな問題が生じました。それは、手術で切除 したがんの状況によるものでした。 退院後の最初の執刀医による診察の時、その医師から、切開して分かった私の体内のがんの 状況についての説明がありました。その説明によると、最初に大腸の内視鏡検査によって 発見された大腸腸壁内のがんは、予定通り無事切除出来たのですが、それ以外に大腸の外の リンパ節にも2か所がんが転移していて、それも切除に成功したとはいえ、大腸以外にがん が広がっているということは再発のリスクが高まり、つまり私のがんは、最初ステージ1と 予想されたものが、実際にはステージ3ということで、再発防止のために、これから抗がん 剤治療を受けてもらう、ということでした。 私はその話を聞いて、かなりのショックを受けました。というのは、私の今回の手術に対す る心づもりは、この手術によって一時的には痛い目に合うが、その後は回復を待つだけ、 そうすればすぐに元通りの日常生活を送ることが出来る、と言うものだったのです。 しかし今回の説明から、再発のリスクが新たに浮上して来たこと、更には、抗がん剤治療 という、私が断片的に耳にしてきた頭髪が抜けたり、激しい苦痛や、倦怠感を伴う、いわゆ るきつい治療を受けなければいけないことに、強い危惧を感じたのです。 そこでまず、この精神的な不安を乗り越えるために、気持ちの持ち方を変えなければなら ない、と思いました。それで今度は、私のがんはとりあえず全て切除することが出来たの だから、今現在は体の中にがんはない、リンパ腺に転移していたとはいえ、比較的初期の 発見だったので、抗がん剤治療をやり遂げれば再発は食い止められるはずだ、だから希望 を持って、それに専念しよう、と考えることにしました。 実際に医師には、このような状況での抗がん剤治療後の完治率は一般的に約7割で、私の 年齢や体力、状況を考慮したら、治癒する可能性は極めて高い、と励まされたのでした。

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