2021年6月22日火曜日

私の大腸がん闘病記⑬

さて、抗がん剤の服用が始まりましたが、最初は正直目立った副作用もなく、それに伴う 体調の変化も感じられませんでした。それよりも、手術の後の痛みと共に、一定の間隔で 下痢をして、その後便が固まってなかなか出なくなるという便通の不具合や、いつも腸に ガスが溜まっていて、下腹部に膨満感があるような不快感が続いていて、そちらの方が 目下の苦痛の種でした。 ただ朝夕に毎回、かなりかさ高い抗がん剤を5錠づつも飲むことは、今まで常時薬を服用 してこなかった私には抵抗感があり、その都度うんざりしながら錠剤を口に放り込みまし た。 そうするうちに、最初の2週間の薬の服用が終わり、1週間の休薬期間も済んで、いよいよ 抗がん剤の点滴を受ける日が来ました。 予めその日の3日前ー私の場合、点滴を受ける日が月曜日で、前週の金曜日に病院で血液 検査のための採血を受けますーに採取した血液のデータが、担当医の手元にあげられて いて、それを基に診察があり、取り立てた異常な数値がないということで、その日に点滴 を受けることが決定されました。 遂に本格的な抗癌剤治療が始まるとなると、いやがうえにも緊張感が高まります。考えて みれば、今まではテレビドラマでそのような設定のシーンを見ても、それどころか、身近 につながりのある人にがん治療の体験を聞いても、気の毒に思ったり、同情することは あっても、あくまで自分は安全な場所にいて、その状況を客観視しているような立場でし た。 しかし自身が当事者になってみると、その切迫感は全く違います。何か重圧がのしかか って来るような、不安に包まれながら、抗がん剤の点滴を受けるために、化学療法室に 向かいました。

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