2021年1月14日木曜日

「後藤正文の朝からロック 「人間中心」に急がされて」を読んで

2020年12月30日付け朝日新聞朝刊、「後藤正文の朝からロック」では、「「人間中心」に 急がされて」と題して、筆者がコロナ禍のこの1年間で、自粛期間中の時間を、気味が 悪いほどに静かで、ゆったりとしていたように感じ、自粛による様々な損失を取り戻そう と活動を再開した途端に、時計の針が勢いよく動き始めて、気が付けば年の瀬が目の前に あった、という経験を通して、彼が感じたこの二つの時間の速度の差について、考察して います。 それによると、今日の経済活動というものが、利潤の追求を至上の目的としており、利益 を得るために一層働くことを我々に求め、その結果我々の体感する時間が加速度的に早く なって行く。 それに対して、彼が昨年よく聴いた、信仰に基づく音楽などは、経済成長という名の加速 を願う人間の欲望を諫めながら、一人ひとりの存在を肯定してくれるように感じられ、 時間もゆったりと流れるように思われた。 そして彼は、祈りのような感覚を、自分の活動のすべてに行き渡らせたいと思った、と 結論づけます。 確かに時間というものは不思議なもので、何かにせかされたり、集中している時は、あっ という間に経過し、暇を持て余したり、心がくつろいでいる時には、ゆっくりと流れて 行くように感じられます。 筆者の言うように、せかされて物事を行うことは、一般的に良い結果をもたらしませんし、 心に余裕を持って事に当たる方が、満足のいく結果を生み出すといえるでしょう。特に 昨今は、私たちの社会では資本主義の進展によって、益々物事にせかされる環境に我々が 置かれているという状況になって来ているので、一度立ち止まって自身を見つめ直すこと は大切だと感じます。

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