2020年10月15日木曜日

鷲田清一「折々のことば」1952を読んで

2020年10月2日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」1952では 英国在住のエッセイスト・入江敦彦の『英国ロックダウン100日日記』から、次のことばが取り上げ られています。    経済回せ、経済回せていうけどさ、ない袖は    振れませんがな。倹約しておかないと、それ    でなくとも先行き不安なのに。 少しコロナ禍が落ち着いて来たと思ったら、そういえばいつの間にか、我が国でもgo toキャンペーン を筆頭に、経済回せの声が、次第に大きくなって来ました。 確かに、旧来の日本人のものの考え方では、入江の語るように、まずは倹約して生活防衛でしょう。 それでなくても、さしあたり必要なものは、我々は買い求めているのですから。 しかしそう言われれば、経済回せの掛け声に、さほど違和感を感じない私たちもいます。それはどう してでしょうか? 我々が生活者の視点と経済活動の推進者の視点を、併せ持っているから?そう考えると、私たちは よく言えば以前より視野が広くなったとも言えますし、悪く言えば消費社会に毒された、と言えるの かもしれません。 でもいずれにしても、政府やマスコミの音頭取りに、振り回されていてはいけないでしょう。大切な ことは、コロナ禍の自粛でストレスが蔓延する社会環境の中で、何が本当に必要かを正しく判断して、 倹約しながら賢く消費することが肝要でしょう。 そして私たちのようなものを販売する立場の人間は、このような厳しい状況の中でも、お客様に選んで 頂ける商品を準備出来るように、日々研鑽を積むしかありません。

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