2021年11月13日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2203では
作家・柳美里の随想「言葉の前に椅子を」から、次のことばが取り上げられています。
この世から剥離しかけた人を、最後にこの世
に繫ぎ止めるのは、言葉だと信じている
東日本大震災の後、福島県相馬市に移住した作家は、本数の少ない電車に乗り遅れた
高校生のために本屋を開き、時間をつぶす場所を提供した上で、このように呟いた
そうです。
私自身も、普段言葉というものが日常に溢れている環境に暮らしていながら、実は言葉
には大変な力が備わっているんだということに、はっと気づかされる瞬間に遭遇する
ことがあります。
例えば、尊敬する人や愛する人からかけられた言葉が、一生の思い出になったり、
生きるための目標や励みになったり、あるいはその言葉のために救われたりなど。
またその逆に、特定の人が発信した言葉が、人を深く傷つけたり、誤解を与えたり
することも往々にあります。
だから私は、言葉を発するということが、大変重大な結果をもたらすこともあるという
認識を常に持って、身を処したいと感じていますし、そのように実践しているつもり
です。でも、ついつい油断して、発言したことを後で後悔することも、あるのですが。
いずれにしても、言葉の力を信じたいですし、言葉というものを大切にしたいと、常々
考えています。
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