2021年12月17日金曜日

「鷲田清一折々のことば」2203を読んで

2021年11月13日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2203では 作家・柳美里の随想「言葉の前に椅子を」から、次のことばが取り上げられています。    この世から剥離しかけた人を、最後にこの世    に繫ぎ止めるのは、言葉だと信じている 東日本大震災の後、福島県相馬市に移住した作家は、本数の少ない電車に乗り遅れた 高校生のために本屋を開き、時間をつぶす場所を提供した上で、このように呟いた そうです。 私自身も、普段言葉というものが日常に溢れている環境に暮らしていながら、実は言葉 には大変な力が備わっているんだということに、はっと気づかされる瞬間に遭遇する ことがあります。 例えば、尊敬する人や愛する人からかけられた言葉が、一生の思い出になったり、 生きるための目標や励みになったり、あるいはその言葉のために救われたりなど。 またその逆に、特定の人が発信した言葉が、人を深く傷つけたり、誤解を与えたり することも往々にあります。 だから私は、言葉を発するということが、大変重大な結果をもたらすこともあるという 認識を常に持って、身を処したいと感じていますし、そのように実践しているつもり です。でも、ついつい油断して、発言したことを後で後悔することも、あるのですが。 いずれにしても、言葉の力を信じたいですし、言葉というものを大切にしたいと、常々 考えています。

0 件のコメント:

コメントを投稿