2021年9月8日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2139では
漫画家槇村さとるとスタイリスト地曳いく子の「青春と読書」9月号の対談から、槇村の
次のことばが取り上げられています。
人の逃げ場や依存先はたいてい、くだらない
ことなの。
人が逃げたり、依存したりする先は、確かにくだらないものかもしれない。逃げる、依存
するという感情自体が、既に負い目を負っているから。
でも、それらは追い詰められた人には、大切な場所、ものであるはずです。なぜなら、
そのような窮地に置かれた人にとっては、息を抜く、安息を感じることがどうしても必要
であるからです。
だから肝心なのは、逃げ、依存した先で自分を振り返って何を感じるかでしょう。そう
すれば次には、そこからどう立ち上がるべきかが見えて来ると思われます。
でも最悪なのは、逃げたり、依存したりしていることに自覚的でないこと。そんな感じで
知らず知らずに逃げていたり、依存に甘んじていたりすると、先の展望は開けないし、
どっぷりとその状況に浸って、何も感じないという状態に陥ったままであるように思い
ます。
窮地を脱したり、十分に癒されたら、次のステップに進もうということに、自覚的であり
たいと、思います。
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