2020年9月25日金曜日
郡司芽久の「キリン解体新書 同じものを伸ばせば・・・」を読んで
202年9月16日付け朝日新聞朝刊、解剖学者・郡司芽久の「キリン解体新書」では、「同じものを伸ばせば
・・・」と題して、キリンという動物が、見た目は他の哺乳動物と全然違う特異な容姿をしているにも
関わらず、実は基本的な構造はほとんで違わず、長い時間をかけて形態を進化させた結果、現在の容貌
が出来上がったということを、分かりやすく説明しています。
その説明の中でも、私が特に興味を惹かれ、納得させられたのは、あの長い首を持つキリンの首の土台を
形成する骨である「頸椎」の数が、実はヒトを含む他の多くの哺乳類と同じ7個で、つまり、骨の数は同じ
ままで、既存の骨の一つひとつが長く伸びることによって、あの長い首が出来上がった、という部分です。
この事実からキリンは、進化の過程で劇的な突然変異によってあの長い首を獲得した訳ではなく、体作り
の基本ルールを逸脱することなく、既存の構造をほんの少しづつ変化させ続けることによって、現在の姿
になったことが分かります。
即ちキリンにとって、生息地の地面から高いところに生えている樹木の葉を食べるために、少しでも首を
伸ばして餌にありつこうとする努力を繰り返しているうちに、長い年月の後に一つひとつの首の骨も伸び
た、ということなのです。
これはとても分かりやすく、腑に落ちる例えで、最後に郡司は、とっぴなことや型破りなことだけが
「個性」ではない。誰もが持っているものであっても、誰にもまねできないほど伸ばすことで、輝かしい
個性が生まれることがある、とこの文章を結んでいます。
正に私のような、取り立てた特技も、人に勝る才能も持ち合わせていないものにとっても、この金言は
勇気と希望を与えてくれるものであると感じ、肝に銘じました。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿