2022年3月25日金曜日

「鷲田清一折々のことば」2308を読んで

2022年3月2日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2308では 詩人・思想家吉本隆明の語り下ろし『真贋』から、次のことばが取り上げられています。    人を見る上でもっとも大事なことを挙げるとす    れば…その人の生きることのモチーフがど    こにあるかということのほうだと言える 吉本は、人間にとって大切なものは、例えば「誠実」のような多くの人が大切と思うもの だろうけれど、実際にはそれになかなか近づくことが出来ない、でもどうして近づけない のかということを考え続けることが重要で、それを人生のテーマあるいはモチーフと呼ぶ、 と語っているそうです。 私たち人間は、なかなか理想に近づくことが出来ません。でもそれで諦めてしまって、 近づく努力を放棄するのでは、堕落に向かうだけで、自分を向上させることにはなりま せん。 だから、少しでも自分をあるべき姿に近づけたいと思ったら、なぜ近づけないのかを常に 考え続けることが必要でしょう。それが彼の言うところのテーマであり、モチーフで、 その人のそれを知ったら、どれほどの人物か分かる、ということなのでしょう。 私も勿論、理想やあるべき姿からは程遠い人間ですが、少なくとも、向上心や心を磨く 気概を持ち続けることが出来ればと、思っています。

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