2022年2月27日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」では
マルセル・カルネ監督の映画『天井桟敷の人々』のジャック・プレヴェール(脚本)のセリフ
から、次のことばが取り上げられています。
去るのは簡単よ 去れば思い出は美化される
戻れば思い出がよみがえる
夫と愛人の逢瀬を目撃した妻が、立ち去るこの女性に放ったことば、ということです。
まぁ、大概去って行くものが、かっこよく見えるものです。私がまず連想するなら、映画『
シェーン』で、馬に乗って立ち去る主人公に、少年が「シェーン、カムバック!」と叫ぶ
シーン。
でも、残された者は、これからも現実と立ち向かい、地道に生きて行かなければなりません。
私の思いからいくと、商売を続けて行くために、店舗を上階に賃貸マンションを併設した建物
に建て替えることを決断した、という場面が思い浮かびます。
古い店舗のまま残して、将来は静かに消え去るか、それとも、先祖から受け継いだ京町家を
思い切って壊して、商売の可能性を追求するために、今どきの建物にすることを決断するか。
結局私は後者を選び、かっこ悪くても、店の継続の可能性にかけることにしました。今は覚悟
も決まり、新店舗の完成を期して、コロナ禍の中、泥臭く商売に邁進するのみです。
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