2021年5月26日水曜日

私の大腸がん闘病記⑨

さて、いよいよ退院して、家に帰りました。退院できるのだと気分も高揚し、直ぐに普通の 暮らしに戻れるような感覚に囚われていました。しかし実際に生活を始めると、ことはそん なにスムーズに運ぶものではありませんでした。 私は自営業で、自宅で仕事をしているので、その意味では時間に融通が利きます。周りの人 に助けてもらって、自分のペースで仕事をすることも可能です。おまけにこの当時はー今も そうですがーコロナ禍で、来客も、注文を受けることも少なかったので、その点は手術明け の人間としては、大いに助かりました。 しかしやはり、肝心の体が思うようには動きません。全身に力が入らないというか、痛み 止めはもう飲んでいなくて、じっとしている分には自覚的な痛みはないのですが、体を動か すと何かの拍子に痛みが走り、ドキッとさせられます。また、体を横にすると、仰向けに 寝た状態から体の向きを左右に動かす時に鋭い痛みが感じられ、しばらく仰臥したまま同じ 姿勢で、寝転んでいることしか出来ませんでした。 これは夜に就寝する時も同様で、従って当分は寝返りを打つことも出来ず、安眠することが かないませんでした。そしてもう1点、切除手術を受けた大腸の調子がとても不安定で、この ことも安眠を妨げました。そのことについては、次回に書きたいと思います。 体を動かすという部分では、手術自体は開腹手術ではなく腹腔鏡手術で、体の表面が大きく 切開された訳ではなく、傷口も小さいのですが、体の内部では腹筋を切開した上で大腸を 切除しているので、やはり傷が治るには相当の時間がかかります。従って、半年ぐらいの間 腹筋に無理な力がかからないように、十分に注意してくださいと、言われていました。この ことも勿論、私の行動を大きく制限しました。

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