2021年5月11日火曜日

私の大腸がん闘病記⑦

手術後の養生期間が始まりました。背中からチューブで注入している痛み止めが効いている ので、麻酔が覚めても安静にしていれば、あまり痛みは感じませんでした。それで、本を 読んだり、テレビを見たり、ウォークマンで音楽を聴いたりして、日々を過ごしました。 ただし、体を動かそうとすると、激しい痛みが襲います。まず、ベッドから起き上がるのが 一苦労で、可動式ベッドの背中の部分を上げて、ベッドの柵にしがみつき、出来るだけ痛み が少ないように、体をねじりながら、反動を利用して起き上がります。当初はそれが、 かなりの重労働でした。 手術を受けた翌日には、病院内の廊下を歩くことを奨励されました。先ほどの要領で体を 起こし、点滴の薬を吊るした、下部に車の付いたポールにつかまりながら、病院の廊下を 歩きます。体には点滴のチューブだけではなく、たすき掛けにした痛み止めの薬の袋から、 背中の注入口に続くチューブ、導尿カテーテルによる尿を排泄するためのチューブをぶら 下げ、痛みのために体を傾かせながら、廊下を歩きました。最初は1,2周歩くのがやっとで、 数日すると、5,6周は歩けるようになりました。 ふとある時その状態で洗面所の鏡を見ると、髪はぼさぼさ、ひげはかなり伸び、沢山のチュ ーブや袋をぶら下げて、ポールを杖替わりに力なくそこにたたずむ姿は、かなりみすぼら しいものでした。我ながら情けなくなって、その後、急いで、とりあえず髭だけは剃り ました。 食事は記憶する限り、手術後丸一日は絶食、流動食から始まって、徐々に形のあるものに なって行き、入院の最後の方は、柔らかめのご飯と消化の良いおかずになりました。量が 多くなかったので、いつも全て完食出来ました。

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