3月7日付け京都新聞朝刊「佐々木閑 現代のことば」では、「煩悩とはなにか」と題して、
花園大学教授・インド仏教学の筆者が、仏教の立場で現代における煩悩について語って
います。
それによると、煩悩を現代の言葉で言うと「人が持つ悪しき本能」ということになり、
本能の支配から離れた新しい生き方を見出そうとするのが仏教の教えで、釈迦によるその
答えは、煩悩の根本をなすのは、世の中を自分中心に見て行こうとする誤った自我意識で、
少しでも煩悩を克服するためには、そこから遠ざからなければならない、ということ
です。
確かに現代ほど、私も含め一般の人々の自我意識が強くなったことは、かつてなかったで
しょう。それは民主主義教育ということにもつながっていますし、社会からそれぞれが
個人として自立することを求められていることとも、密接に関わっています。
しかしながら、なるほど現代社会を生きるためには、しっかりとした自我を持つことは
必要でしょうが、それがいたずらに個人の権利や自由ばかりに結びつくのではなく、それ
に付随する公共性や義務、更には道徳心にも心を砕かなければならない、ということでは
ないでしょうか?
なかなか難しいことではありますが、私自身も心しなければならない、と改めて思います。
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