2021年12月3日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2222では
元ドイツ初の女性首相アンゲラ・メルケルの講演集『わたしの信仰』から、次のことばが
取り上げられています。
謙虚とは無気力の謂いではなく、無限を知った
ことから生まれるポジティブで、希望に溢れ
て生を形成する感覚です。
私も、謙虚であるということは、非常に大切であると考えていて、信念の人であると思わ
れるこの元ドイツの女性首相から、このことばが出たことに、感銘を受けました。
というのは、人が謙虚であるということは、自分の考えに固執せず、更には過ちを素直に
認めることによって、柔軟で外に開かれた感覚や思考法を身に付けることであり、そう
することによって初めて、誤りのない正しい判断や選択が出来る、と感じるからです。
あるいは、謙虚な態度や言葉遣いで人に接するということは、相手を尊重することになり、
相手からもこちらに、敬意を持った対応を引き出すことが出来ます。そうすれば、互いに
より踏み込んだ関係を築きやすい、とも感じるのです。
但し、謙虚が卑屈に転化してしまうと、それは限りない譲歩や自己嫌悪、自信の喪失に
自らを追い込んでしまうので、そこは注意しなければならない、と思います。
要するに謙虚であるとは、自分自身には信念や自信を持ちながら、他者に敬意を持って
相手の話を聞き、物事に向き合うことであると、私は思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿