2014年5月3日土曜日

FUTURE BEAUTY 「日本ファッション:不連続の連続」を観て 2

「陰影礼賛」のコーナーに展示された黒い服は、ファッションの本場
ヨーロッパで、衝撃をもって受け入れられたということです。

しかしこの黒い色調は、あまたある色の洪水の中での特殊な黒、
果敢にチャレンジした日本人デザイナーの勇気に敬意を払いつつも、
やはり、新奇なものがもてはやされたという印象も、作品を観ていて
受けました。

そして「平面性」、日本人デザイナーはこうして華々しくデビューを
飾りましたが、平面性という特性を追求した作品を発表するに至り、
服飾という分野に初めて、芸術という概念を導入したように見えます。

立体を志向して裁断、縫製する西洋のファッションに対して、平面的な
構造を持つ着物の文化に慣れ親しんだ彼らは、平面から立体を形作る
折り紙の思考方法も加味して、平面性を追求したファッションを欧米に
もたらすのです。

特に、三宅一生の「プリーツ・プリーズ」の作品には、特筆すべ
造形的な美しさからも、感動させられました。

ファッション界の事情に詳しくない私にも、日本のファッションが
ヨーロッパで確かな市民権を得たように感じられました。

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