2025年6月24日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3428では
モデル・ラジオパーソナリティ前田エマのエッセイ集『過去の学生』から、次の言葉が取り上げられ
ています。
正々堂々としたかっこいい色気
これは、20代前半、貧乏暮らしの中、3ヶ月分の給料でアメリカ製の水着を買ったという脚本家・向田
邦子のその姿を写真で見た前田の感想だそうです。
当時の向田にとっては、一見分不相応な水着ではあるけれども、彼女はそれを着用するのに気後れしな
い自信と気概を持っていた。それ故、余裕と自負を持ってその水着を身にまとい、それが彼女を魅力的
に輝かせている。
その自信は、どこから生まれているのか?きっと彼女は、自身の心に大きな志を持ち、将来それが適う
ことを確信していたのでしょう。
このような、その時点では身の丈を越えていても、「自分の気持ちに似合う」と感じられる装いをする
ことが出来る心証を「かっこいい色気」と言い切れる前田も、やはりかっこいいと思いました。
この言葉を読んで、私自身まもなく高齢者の仲間入りをする、外見上もあまりぱっとしない人間ですが、
せめて心持ちだけは、気概を持ち続けられるように精進したいと、感じました。
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