2024年12月5日木曜日

「鷲田清一折々のことば」3046を読んで

2024年4月3日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3046では 詩人、思想家吉本隆明の長女で漫画家ハルノ宵子の『隆明だもの』から、吉本の次の言葉が取り上げ られています。    「何か善いことをしているときは、ちょ    っと悪いことをしている、と思うくらい    がちょうどいいんだぜ」 ハルノが子供の頃、学校で赤い羽根募金があり、場の空気から何となく百円寄付したと父に告げると 「フフフン」と鼻であしらわれたと、この漫画家は本の中で回想しているそうです。 善いことも集団でなせば悪に転じうる。群れずに一人で淡々とやるのが一番強いと、父から学んだと いうことです。 吉本らしい、少し斜に構えたようで、真理を突いた言葉であると感じました。「正義」は振りかざす と悪になりうる。しかも数に物を言わせ押し通せば、暴力にもなりうる。このような事例は、枚挙に 暇がないと思われます。 もし自分が本心から「正義」を為したければ、単独で、少しカッコを付けるぐらいでさりげなく、 行うのが良いのではないでしょうか。そういう「正義」の行いは、ジワリと人々の心にも響くのだと 思います。例えば、『紅の豚』のポルコ・ロッソの行動のように。

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