2025年11月6日木曜日

「鷲田清一折々のことば」3428を読んで

2025年6月24日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3428では モデル・ラジオパーソナリティ前田エマのエッセイ集『過去の学生』から、次の言葉が取り上げられ ています。    正々堂々としたかっこいい色気 これは、20代前半、貧乏暮らしの中、3ヶ月分の給料でアメリカ製の水着を買ったという脚本家・向田 邦子のその姿を写真で見た前田の感想だそうです。 当時の向田にとっては、一見分不相応な水着ではあるけれども、彼女はそれを着用するのに気後れしな い自信と気概を持っていた。それ故、余裕と自負を持ってその水着を身にまとい、それが彼女を魅力的 に輝かせている。 その自信は、どこから生まれているのか?きっと彼女は、自身の心に大きな志を持ち、将来それが適う ことを確信していたのでしょう。 このような、その時点では身の丈を越えていても、「自分の気持ちに似合う」と感じられる装いをする ことが出来る心証を「かっこいい色気」と言い切れる前田も、やはりかっこいいと思いました。 この言葉を読んで、私自身まもなく高齢者の仲間入りをする、外見上もあまりぱっとしない人間ですが、 せめて心持ちだけは、気概を持ち続けられるように精進したいと、感じました。