2025年5月29日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」では
見立てによるミニチュア写真クリエーター田中達也による『みたてのくみたて』から、次の言葉が
取り上げられています。
みんなが知っているものを、知っている
別のなにかに変換するからこそ、共感し
てもらえます。
眼鏡が自転車になったり、ブロッコリーが大樹になったり、ドーナツをCT検査機に見せたり、この
ような写真作品を見ると、思わずニヤッとさせられたり、お伽話のようなホンワカとした気分に
させてくれます。
そもそも、それらのもの単品では見立ては成り立たないとしても、組み合わせたり、あるいは、小
さな人間の模型を配置して、微視的な視点でその情景を演出すれば、リアリティーが生まれるとこ
ろが絶妙です。
田中自身は、「見立てとは、今あるものを組み合わせて新しい価値を生み出す術だ」と語っている
そうですが、当意即妙であると感じます。
発想や、視点を変えれば、組み合わせによる新しい価値も生まれるということは、今日の同じ国の
中での経済格差による価値観の分裂や、人種間の対立などの問題にも、解決策を見出すヒントにな
るかも知れません。
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