2024年2月18日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」3002では
作家多和田葉子の随想集『カタコトのうわごと』から、次の言葉が取り上げられています。
感性は思考なしにありえないのに、考
えないことが感じることだと思っている
人がたくさんいる。
そういえば我々は、感性といえばただ感じることで、考えることとはまた別だと思い込んで
いる場合が多いと思われます。でも感じるためには、思考を通して感性を鍛えることが必要
なはずです。
ではどうして、このような捉え方が生まれたのか?私が思うに、一つは瞑想を重視するよう
な仏教的な思想によって、自然のありのままを感じることが何よりも必要というような、
無念無想を奨励する価値観を身につけているから。
あるいは、このコラムでも取り上げられているように、日本人が男性的な固い思考に拘泥し
て、女性的な柔らかい思考を感性という言葉で括って、一段下に見ているから?
いずれにしても、現代社会では、ますます美意識や柔軟な思考によって鍛え上げられた、
感性の価値が増しているように思われます。
私たちは常に前向きに、感性を磨き上げるべきでしょう。
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