2021年2月9日火曜日

「古田徹也の言葉と生きる 「自粛を解禁」の奇妙さ」を読んで

2021年1月28日付け朝日新聞朝刊、「古田徹也の言葉と生きる」では、「「自粛の解禁」の 奇妙さ」と題して、昨年、一回目の緊急事態宣言が解除された頃、多くのマスメディアで 「自粛の解禁」という見出しや文言が躍ったことについて、本来は国民に自粛が自主的に 行われるように要請されたのであり、それならば「自粛の解禁」とは捻じ曲げられた、 奇妙な表現であると、指摘しています。 つまり、「要請」とは名ばかりで、実際には各県の知事などからは、「自粛を徹底させる」 、「自粛の要請に従ってもらう」、「要請を守らない場合には」といった言葉が平気で 発せられて来たので、「要請」が「禁止」や「命令」に捻じ曲げられて、自粛に対する 「解禁」という誤用が生まれた、というのです。 確かに、国民にお願いすべきことが「禁止」や「命令」にすり替えられるのは奇妙なこと で、その元には法律上の規定の問題もある訳ですが、その根本には、日本が今まで治安上 あらゆる点で安全な国で、このような危機的状態に対する対処の準備がなかったという ことでしょう。 お願いベースで、ここまで一定レベル「要請」が守られているということは、律儀な国民 性の現れだと推察されますが、法規定等はコロナ禍の最中には、最低限のことを決めて、 落ち着いた後により汎用性のある、落ち度や漏れのない法律を制定するとして、政府や 地方自治体の長は、国民に対して、現状についてのより正確な情報や、緊急事態発令の 根拠、その後の推移による運用の仕方、解除に向かうためのビジョンなどを、より分かり やすく、丁寧に発信して、このような事態に対する国民の理解を深めることが必要である と、感じます。

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