2023年10月14日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2870では
17世紀フランスの侯爵で思想家、ラ・ロシュフコオの『箴言と考察』から、次の言葉が取り上げられています。
欠点のうちには、それが巧みに運用され
ると、美徳そのものよりも光るのがあ
る。
例えば移り気やその逆のしつこさが、偉大な発明につながったり、優柔不断やぐずぐずが、沈着な情勢判断と
なったり、引っ込み思案が、人を深い内省へと誘ったり。「人間のよくない性質が、大きな才能をなす場合が
ある」と、この思想家は言います。
そう、人間の欠点と長所は性質の表裏、そこまで言い切れなくても、すぐ近くに隣り合っているものだと、感
じられます。だから、卑下し過ぎることも、自信過剰になることもないのではないか?
大切なことは、自分を客観的に観ること。そうすれば、どのように振る舞うべきか、逆にどういうことに注意
すべきかも、見えてくるように思います。
またあるいは、ある人を指導する立場になったり、その人と一緒に何かを行うことになった時には、相手の中
のそのような特徴や性質を見抜き、どのようにアプローチすれば能力を引き出すことが出来るかを見極める
ためにも、この法則は役立つと思われます。
いずれにしても、完璧な人間などはいなくて、誰でも欠点を持っているのが当たり前と、認識すべきでしょう。
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