2023年1月26日木曜日

「鷲田清一折々のことば」2565を読んで

2022年11月23日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」では 歌人正岡子規の『正岡子規ベースボール文集』から、次のことばが取り上げられています。    ベースボールにはただの一個の球(ボール)あるのみ。そ    して球は常に防者の手にあり。 正岡子規は、大の野球好きだったそうです。でも、「球は常に防者の手にあり。」という 着眼点には、目からうろこの気持ちがしました。 確かに、サッカー、バスケットボール、ラグビー、アメリカンフットボールなど、他の大半 の球技では、攻撃側が球を支配して防御側を攻めます(従って、ボールを所持する側が入れ 替わったら、攻守が逆転します)。しかし野球では、ボールを手にするのは終始一貫して 守る側です。 また、攻撃側が得点を挙げるためには、防御側の手の届かないところに打球を放つなど、 相手の守りを阻止することが必要になります。つまり、球を所持した守備側の通常の防御を 破綻させることが、得点につながるのです。 即ち、このような直接的ではなく、回りくどいルールの中で、選手や観客をボールそのもの に集中させるシステムに、野球の醍醐味があるのではないでしょうか。 このことばを読んで、そんなことを考えました。

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