2017年12月3日日曜日

鷲田清一「折々のことば」948を読んで

2017年11月30日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」948では
先鋭的な映画を撮る映画監督園子温の『けもの道を笑って歩け』から、次のことばが
取り上げられています。

 「自分」と仲良くするためには、まず自分がカッコ悪い、情けないと思っていることは、
 人目のあるなしに関わらず絶対にしないこと。

すごくカッコいい言葉ですね。ちょっと憧れてしまいます。

まず第一は、どういうことをしたらカッコ悪いか、どんな行為が情けないか、に気づく
ことから、始めなければならないでしょう。

というのは、自分の人生を振り返ってみて、あの時にやったことはカッコ悪かったと
気づくのは、随分後になってからということが、ままあったと思うからです。もっとも、
勢いに任せてやってしまった直後に後悔したことも、そういえばありましたっけ!

とにかく、失敗を重ねたり、他人の行為から学んだり、色々なところから知識を得たり
して、何がカッコ悪く、情けないかを体得すべきでしょう。

次には、そのようなカッコ悪いことは、例え人に見られていないところでもしないという、
信念を持たなければならない、ということですが、これはまた、なかなか並大抵のこと
ではないでしょう。

人間は意志が弱いもので、自分に都合が悪いことは、往々にこれぐらいはいいか、
あるいは欲望に流されて、少しは許されるだろうなどと、自らの行為を正当化する
からです。

つまりこの言葉の意味は、自身の人生に責任と矜持を持て、ということなのでしょう。

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