2017年12月8日金曜日

鷲田清一「折々のことば」950を読んで

2017年12月2日付け朝日新聞朝刊、鷲田清一「折々のことば」950では
ボートレース場の観客の次のことばが取り上げられています。

 スタートする位置がまちまちなのがいいとこ

残念なだら、ボートレースを見に行ったことはないけれど、このレースでは、
スタート位置が選手によってまちまちというところがいいですね!

というのは、一般的に色々なレースのスタート位置は、選手の公平な条件を期して
一直線状であったり、短距離走などでは、各選手の走る距離がまったく同じになる
ようにスタート位置をずらすという形で、厳密に設定されているからです。

ところがボートレースでは、おそらくボートが高出力のエンジンで駆動されることや、
水上を周回して競うレースの走行距離が長いこともあって、スタート位置の厳密性
が余り重要ではないのでしょう。それよりも、選手が如何に自分の得意な形で
スタートを切るかということが、最優先されるのだと想像します。

でもそれだからこそ、各選手が思い思いに知恵を絞って、自分と艇が力を発揮
できる最善の位置からスタートし、技術を尽くして最初にゴールすることを目指す
というレース形体には、ロマンがあるように感じます。

公平さの意味が横並びではなく、本人の技量にゆだねられていること。しかも、
一旦スタートを切ってしまえば、個人の操縦技術を駆使して存分に力を発揮出来る
条件が準備されていること。

スポーツはよく人生に例えられるけれど、この競技などは、さしずめ味のある人生
と言えるでしょうか?一度実際にボートレースを観戦したくなりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿