2015年7月23日木曜日

ヒオウギの花が咲きました。

祇園祭の時期となり、床の間に活けておいた、恒例のヒオウギの花が開き
ました。

ヒオウギは、かつて貴人が使用した檜扇に、葉の形状が似ていることより
命名されたというアヤメ科の植物で、悪霊退散のために用いられたこと
から、元来疫病を払うことを目的とする祇園祭に、欠かせない存在となった
といいます。

床に活けると、青々とした扇を開いたような葉の形が面白く、また梅雨明け
前の京都独特の蒸し暑さの最中に、その一角だけ、清涼な気分を添えて
くれます。

花は、葉の深い緑と鮮やかなコントラストをなす、赤い斑点を散りばめた
美しい黄味を帯びた朱色で、一輪の花はせっかく咲いても一日でしぼんで
しまいますが、それだけにようやくほころんだ花を発見した時、何かはっと
するようなときめきを感じます。

今年の祇園祭は天候に恵まれず、前祭りの山鉾巡行当日は、折しも四国、
中国地方を襲った台風の影響で、あいにくの激しい雨に見舞われましたが、
幸い、当初懸念された巡行中止という最悪の事態は免れました。

また後祭りの宵山も、不安定な天候が続き、午前中には強い雨足の時間も
ありましたが、明日の巡行は青天のもと、無事行われることを願っています。

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