2015年7月20日月曜日

細田守監督作品「時をかける少女」を観て

細田守監督の新作アニメーション映画「バケモノの子」の劇場公開記念
として、2006年作品「時をかける少女」のテレビ地上波放映があったので、
良い機会と思って観てみました。

「時をかける少女」というと、私にはやはり、大分記憶は薄れていますが、
1983年の大林宣彦監督、原田知世主演の映画のイメージがあって、
ミステリアスで感傷的な雰囲気と、主演女優の清新ではあるがはかなく、
頼りなげな、運命を受け入れざるを得ない、諦念を秘めた受け身な印象が
ありました。

さて今回のアニメーション映画は、前述の作品とは多分に雰囲気を異に
しています。主人公の紺野真琴は屈託のない現代的な女子高校生、
大学進学のための進路決定を控える難しい時期にも拘わらず、無自覚に
日々を過ごしているように見えます。また異性の友人に対しても、まだ
男女の別を意識しない呑気さで、学校生活を送っています。

さてその少女が、タイムリープ(時の瞬間遡行)の能力を得たらどうなる
のか?実際彼女は、自分のささやかな満足や、都合の悪いことを誤魔化す
ために、この能力をやたらと使用します。しかし彼女は、20年前の「時を
かける少女」であった叔母、芳山和子のアドバイスによって、自分にとっての
その能力の意味をもう一度考えます。

結局真琴にとって、タイムリープとは何だったのか?それは彼女が日常の
自分の行動を注意深く振り返り、周りの人の思いをくみ取り、自分の
本心を素直に表現するためのトレーニングであったような気がします。

この映画を見終えて、一人の少女の成長物語として、さわやかな感動を
得ました。

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