2015年12月7日月曜日

尾形光琳「風神雷神図」、酒井抱一「夏秋草図」両面復元複製屏風を観て

琳派400年記念のプロジェクトで、現在はそれぞれ独立した一曲一双の屏風
として保存されている、光琳「風神雷神図」と抱一「夏秋草図」を、コロタイプ
技法で複製して、本来の表面「風神雷神図」、裏面「夏秋草図」の一体の
屏風に復元した作品を、京都文化博物館で観ました。


画像は表裏を正面から写したもので、「風神雷神図」の右側の風神の裏が
「夏秋草図」の左側の秋草になっています。

コロタイプ作品に実際に接すると、実物に近い臨場感があり、写真撮影が
可能なのはもちろん、すぐ目の前まで近づいて観ることが出来、新たな
発見がありました。

まず風神におどろおどろしい存在感を発散しながら、同時に疾駆するような
軽やかさとスピード感が感じ取れ、同様に雷神の左足と右腕の不自然な
ねじれが、自然の法則を超えた躍動感を表現しているように感じました。
このような詳細なところは、この間実物を観た時には、ここまで近づくことは
出来なかったので、気づけなかったのだと思いました。

また金地の風神の裏に、銀地の秋風になびく秋草の図があり、雷神の裏に
洒脱な流水と夏草の図があるのも、抱一が私淑する光琳へ示した讃嘆と
親愛の情が十分に感受され、両者の響き合いは、まさに優雅の極致とも
いえる趣を醸し出していると、感じました。

0 件のコメント:

コメントを投稿