2017年7月24日月曜日

「福岡伸一の動的平衡 外来種一番迷惑なのは・・・」を読んで

2017年7月20日付け朝日新聞朝刊、「福岡伸一の動的平衡」では
「外来種一番迷惑なのは・・・」と題して、最近の特に外来種のムシを巡るマスコミの
過熱報道について、福岡伸一らしい科学的知見に裏打ちされた、ウイットに富んだ
コメントを記しています。

確かに市井の人々にとって、ムシというもの自体が往々に不気味で、しかも今までこの国に
存在しなかった新手の毒ムシが現れるとつい身構えてしまい、その上マスコミが騒ぎ立てる
となると、私たちもさらに不安が増幅されるということになるのでしょう。

考えてみれば、近代以降国際的な人の交流が飛躍的に盛んになって、動物からムシ、植物
まで、色々な生物が外来種として我が国に進出し、野生化しています。

思い当たるだけでも、ヌートリア、アライグマ、アカミミガメ(ミドリガメ)、ウシガエル、
ブラックバス、セイタカアワダチソウなど・・・。そう言えばどの種も、固有の生態系を損なう
生物として、大なり小なり忌避されているように感じられます。

なるほど外来種は、天敵もいない状態で突然進出して来て、もしこの国の環境に適応する
ならば必然、飛躍的に数を増やすことになり、旧来生息する生き物を圧迫して、その結果
生態系を歪めることになるのでしょう。

そして、外来生物を持ち込んで生態系を改変する原因を作るのは、大抵の場合他でもない、
我々地球の生態系の頂点に君臨する人間ということになります。これについても福岡が
警句を発する通りです。

でも一方、交通の発達によって地球がこれだけ狭くなれば、不可抗力によって外来種の
侵入を防げないという場合も生じるとも、考えられます。ある程度の部分は、必然的な
環境の変化なのかもしれません。

しかし我々が注意すべきは、人間の目先の欲望や目的の達成のために、人為的に
生態系を歪めるような外来種の持ち込みは止めなければいけない、ということでしょう。
この点については、環境教育も重要であると思います。

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