2017年6月20日火曜日

「福岡伸一の動的平衡 家を持つ自由持たない自由」を読んで

2017年6月15日付け朝日新聞朝刊、「福岡伸一の動的平衡」では、「家を持つ自由
持たない自由」と題して、ナメクジとカタツムリが自然界に共存している現実に例えて、
持ち家が得か、賃貸が得かという、住まいを巡る我々の永遠の懸案に、筆者らしい
ウイットに富んだヒントを提供してくれています。

まず驚かされたのは、進化の順序は、殻を持つカタツムリが先で、殻を持たない
ナメクジが後ということ!つまりカタツムリの一部が殻を捨てて、ナメクジになったと
いうことです。

すなわち、カタツムリが殻を作り維持するためには、大量のカルシウムの摂取と
エネルギーが必要であり、それに対して殻を脱ぎ去れば身軽で、隙間に潜り、難を
のがれることも出来るという訳だそうです。これはまるで、現代流行りの断捨離、
省力化と言ってもいいのではないでしょうか?

でも嬉しいのは、カタツムリがみんなナメクジになった訳ではないということ。そう、
殻を持ってるやつも、持ってないやつも、それぞれが自然界に適応して生き続けて
いるということです。

それぞれが共存して生きていられる自然界の懐の深さ。あるいは、色々な生物が
共に生息する種の多様性こそが、自然の豊かさなのでしょう。

人間界でも、様々な人種、宗教、思想、年齢、職業、生き方、価値観の人々が、共に
互いを尊重し合って暮らすことが出来る社会が、健全な社会であるということと、同じ
ことなのでしょう。

それにしても我が家の庭でも、ナメクジは相変わらずよく目にしてうんざりしますが、
昔はいたカタツムリはまったく見かけなくなりました。少し寂しい気がします。

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