2021年7月30日金曜日
「後藤正文の朝からロック 複雑さの側に立って」を読んで
2021年7月14日付け朝日新聞朝刊「後藤正文の朝からロック」では、「複雑さの側に立って」
と題して、ミュージシャンの筆者が、コロナ禍で日本最大のロックフェスが中止になった
ことから語り起して、コンサートの大小によって経済効果と言う観点から、短絡的にその
価値の有無を決めることの誤りについて、語っています。
つまり、一概にコンサートの規模の大きさだけで、観客に音楽的感銘を与える度合いを、
計ることは出来ないということです。
確かに私も、その考えに同意します。先日も誰か指導的立場の人が、オリンピックに観客を
入れることと、普通の子供のピアノ発表会を同列に比較する質問を記者から受けて、逆ギレ
的な発言をして、撤回せざるを得ない事態に陥っていましたっけ。
経済効果を含め、物事を数値で比較することは、一見分かりやすく、明解に見えます。そし
て事態の数値化ということは、昨今合理性という観点から、しばしば奨励されて来ました。
でも、数値だけでは測れないものが確かにあると、私たちもそろそろ気づいて来たはずで
す。それが証拠に、合理化、経済的効果、有用性を優先した判断の尺度が、温もりのない、
殺伐とした、中身の薄い現実社会を醸成して来たと、感じられるからです。
少なくとも文化、礼節、創造的活動、人と人の絆に関わることは、経済的効果を始めと
する数値的な尺度を超えた価値の判断基準を、私たちは持つべきであると思います。
そのためにも私たちは、自分自身の確固とした価値観を持つことが出来るように、日頃
から知的鍛錬を怠らないようにすべきではないでしょうか。
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