2021年7月27日火曜日

私の大腸がん闘病記⑱

まず点滴、それから2週間の薬服用という、抗がん剤治療を重ねて行くうちに、だんだん それぞれの治療による副作用のサイクルが、体で分かって来るようになって来ました。 つまり、点滴の副作用が1週間目ぐらいには薄れ、次に服薬による副作用が増して来ます。 そしてその後1週間の休薬期間には、しばしの息抜きという具合に、体が楽になります。 このようなサイクルが自覚されて来ると、3週間後に新たな点滴が始まることが、大変 苦痛に感じるようになって来ました。点滴という重い副作用を伴う治療がまずあり、それ から服薬の副作用がじわじわと体を蝕み、やっと休薬で解放されたと思ったら、目の前に は、新たな点滴が待ち構えています。 そこでまた点滴を受けるために病院へ行くことが、どれほど苦しみに満ちたものである ことか!しかも、各治療に伴う副作用は、体の慣れによって軽減されるものもあるものの、 相対的には、回を重ねるごとにきつくなって行くのです。 最初の頃は、この治療は私にとって、癌からの治癒のために不可欠のものであり、この 治療を受けてさえいれば、必ず回復するというポジティブな意識が、治療を忌避する考え を上回っていましたたが、次第に副作用が募って来ると、果たして本当にこの治療を受け て、私の癌は治癒するのかという、疑念が広がって来ました。 それでも、私を何とか治療の継続に向かわせたのは、このままではまだ人生を終わらせ たくない、やり残したことがあるという、癌克服後の生き甲斐を設定することが出来た ことで、それを目標に何が何でも治療を完遂しようという、覚悟が出来たことでした。 癌を患った経験のない方、回復が難しいと宣告を受けながら、一縷の望みを求めて抗がん 剤治療を続けておられる方には、私の考え方は、大げさ過ぎるとか、楽観的過ぎると思わ れるかもしれませんが、まさしく当事者としては、このように感じざるを得なかったの です。

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