2021年7月23日金曜日
「鷲田清一折々のことば」2083を読んで
2021年7月13日付け朝日新聞朝刊、「鷲田清一折々のことば」2083では
大阪釜ヶ崎で「こえとことばとこころの部屋」を主宰する詩人上田暇奈代の次のことばが
取り上げられています。
多様性って、やっぱ覚悟いりますよ。
この詩人は、多様性は「自分にとって居心地のいい人だけと一緒にいること」ではなく、
むしろ「招かざるお客さん」とどう「出会い直して」いくかが問題だ、と言います。
なるほど、同じか似た考え方を持つ人と、一緒にいることは心地いい。でも、考え方が
違ったり、立場が全然違う人と、お互いに相手を認め合った上で、共存を図ることは難し
い。
でも確かに、多様性とはそういうことであるとは、理解出来ます。それゆえに、多様性を
有することは、柔軟であり、かつ強靭なのでしょう。例えば自然界における種の多様性の
ように。
更には、この解釈に付け加えて、「折々のことば」の筆者自身が、多様性の実現の困難さ
の筆頭が、自分自身についてではないか?なぜなら、認めたくない自分が自身の奥に居座
っているのだから、と述べています。
う~ん、正にそうなのでしょう。生い立ちや経験、自分の立場から導かれた自身の考え方
は、そう簡単には変えられない(曲げられない)ものです。しかもそれをやすやすと変え
てしまったら、自分を見失ってしまうかも知れない、という不安もあります。
でもそれを、あえて客観的な視点から検証し、正すべきは正したり、考え方を変更する
ことこそ、あるべき人間の姿であり、これから益々求められている、ことなのでしょう。
私自身にとっても、これはかなり困難なことではありますが、少しでもそのような姿に
近づきたいと、この文章を読んで、感じました。
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