2019年12月2日月曜日

京都国立近代美術館「円山応挙から近代京都画壇へ」後期を観て

上記の展覧会を前期に続いて、観て来ました。

応挙の大乗寺襖絵は、引き続き展示されていて、また前期と展示替えされた作品
も多数あったので、十分に満足のいく展観でした。

展示品を観ていて、まず円山・四条派お得意の孔雀の画が目に留まりました。孔雀
を描いた作品は、襖絵以外に応挙、呉春、岸駒の画があり、前期には長沢芦雪の
画もありました。

決まった画題だけに描き手の特徴が端的に現れ、つまり他の絵師は応挙の画を
手本としているだろうにも関わらず、それでもそれぞれの特徴が滲み出て、大変面白
く感じられました。

後期の呉春の作品は水墨画ですが、厳密に写実するよりも、孔雀の質感を重視する
ような姿勢が感じられ、岸駒の作品は、流動感を現わそうとしているように感じられ
ました。

その中でも応挙の作品は、写実に徹しながら、その底から匂い立つような気品が
自然とにじみ出て、さすがの出来栄えと感じました。応挙の傑出した才能を観る思い
がしました。

応挙と上村松園の美人画が並べられたコーナーも、興味深く観ました。こちらでも
松園が応挙の画題に習った画を描いているのですが、今度は応挙の作品が少し
古びて感じられ、逆に松園が応挙の画を前提としながら、時代に即した洗練された
作品を描いているように感じられました。

主題の違いにもよるのだと思いますが、ここでは、応挙からの近代京都画壇への
継承、発展を、強く感じさせられました。

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