2014年3月6日木曜日

千利休ゆかりのお菓子

昨日、お向かいの二条駿河屋さんから、麩の薄皮で包まれた粒あん入りの
お菓子を頂きました。

このお菓子は、千利休の存命の当時からあるお菓子で、利休も好んだそうです。
鎌倉で催される、千人規模のお茶会用に注文を受けられたということで、日頃は、
店頭でも販売していないけれども、特別に作ったのでおすそ分けを、とおっしゃって
いました。

私も初めて見るお菓子なので、まずはしげしげと眺めながら、先日観た、映画
「利休にたずねよ」の茶事の情景を思い浮かべました。

中心から半分に切ると、うす茶味がかった皮の中からきれいな粒あんが
のぞきます。口に含むと、ほんのり甘味のついた薄皮の、ふっくらとからみつく
ような歯ざわりの後に、はみ出してくる上質な餡子のしっかりとした甘味が
口中にぱっと広がって、満ち足りた気分になりました。

最近の生菓子は、美しく、技巧を凝らしたものが一般的ですが、このお菓子は、
原点回帰を思わせる素朴なたたずまいで、滋味あふれる味わいでした。

有難うございました。

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