2020年5月19日火曜日

新型コロナウイルス感染症の日本の感染者数、死亡者数から感じたこと

私たちの国では、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が、39県で解除
され、コロナ禍もまだ予断を許さないとはいえ、ようやく下火の兆候を見せて来たよう
に思われます。

この間国内で、16000人以上の人の感染が確認され、また760人余りの人が亡く
なりました。まさに歴史的な感染症による災禍であると言えるでしょう。

しかしながら日本は、この感染症が最初に発生した、同じ東アジアに属する中国に
地理的に近く、また経済的、人的交流も盛んであるために、感染症拡大の早い時期
に国内最初の感染者が生まれたにも関わらず、その後感染が広がったヨーロッパ
諸国やアメリカ合衆国などに比べて、現在の時点で、感染者数も死亡者数もかなり
少なく抑えられています。

感染者数に関しては、我が国ではPCR検査の数がかなり少なく、これらの国々に
比べて実勢の感染者数が反映されていない、という指摘もありますが、少なくとも
死亡者数はかなり低く抑えられている、ということが出来るでしょう。

そこで私なりに、少し落ち着きを見せて来たこの時点で、日本でこれらの数が低く
抑えられた理由について、考えてみました。

まず死亡者数については、このウイルスが多くの人にとって、感染しても無症状か
比較的軽い症状で治癒する反面、高齢者や持病のある人にとっては、急速に重篤
化し、死の危険をもたらすという特徴があるので、死亡者数が多い国では、高齢者
の死亡者が圧倒的に多いという事実があります。

その点で日本では、高齢者施設の感染症予防対策が行き届き、また患者が重篤化
した場合対処する医療技術の高さもあると、推測されます。

次に感染者数に関しては、このウイルスは発症前の無症状の時点でも感染すると
いう厄介な性質があるために、感染が拡大しやすく、また密集した閉鎖的空間で
爆発的に拡大するというリスクもあるので、人の移動を極力減らし、密集を避ける
ことが一番の感染予防となり、特に通勤、通学、娯楽などでの人の集まりを制限
することが求められることになるのですが、この行動自粛ということが日本では、
強制力が比較的低いにも関わらずよく守られていて、感染拡大を防いでいるように
感じられます。

この点で私たち日本人は、周囲の目を気にして行動する性質があるので、この自粛
がよく守られているのではないかと、推測されます。ただし、それが主体的な個々の
判断による限りは好ましいことなのですが、自粛生活が長引くほどに、他人の行動を
監視、批判するような風潮が生まれ始めていることは、危惧すべきことだと感じました。

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